ベルソムラ(Belsomra)は、有効成分スボレキサントを配合した不眠症治療薬です。
脳内で覚醒を維持する物質「オレキシン」の働きをブロックすることで、自然な眠りをサポートする「オレキシン受容体拮抗薬」に分類されます。
従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬とは作用機序が異なり、脳全体を強く抑えるのではなく、覚醒に関わるオレキシン系に選択的に作用する点が特徴です。
寝つきが悪い方や、夜中に何度も目が覚める中途覚醒に悩む方に処方されることがあります。
ベルソムラはMSD株式会社が製造販売する不眠症治療薬で、日本国内では2024年10月以降、第一三共株式会社が販売および情報提供を行っています。
本製品は市販薬ではありません。医師の管理下で使用される処方箋医薬品です。必ず医師の指導に従って使用してください。
ベルソムラが検討される主な不眠症状
ベルソムラは、以下のような不眠症状に対して医師の判断で処方されることがあります。
- 寝つきが悪い方
- 夜中に何度も目が覚める方
- 早朝に目が覚めてしまう方
- 睡眠薬の依存性や耐性が気になる方
- 従来の睡眠薬によるふらつきや翌朝の眠気が不安な方
- 医師からオレキシン受容体拮抗薬を提案された方
ただし、ベルソムラがすべての不眠症状に適しているわけではありません。
不眠の原因や体質、服用中の薬によって適否が異なるため、使用前に医師へ相談することが大切です。
ベルソムラの働き
ベルソムラの有効成分スボレキサントは、脳内で覚醒を維持する神経伝達物質「オレキシン」が、オレキシン受容体(OX1R・OX2R)に結合するのをブロックします。
オレキシンは、日中に覚醒を維持し、夜間には活動が低下することで睡眠へ移行しやすくする生理的な物質です。
不眠症では、夜間も覚醒システムが過剰に働いている場合があり、ベルソムラはこの覚醒の働きを抑えることで、自然な入眠と睡眠維持をサポートします。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬が脳の活動を広く抑制するのに対し、ベルソムラは覚醒に関わるオレキシン系に作用するため、より生理的な睡眠に近い状態を促す薬とされています。
ベルソムラの効果効能
不眠症
ベルソムラの効能・効果は「不眠症」です。
入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒などの症状に対して、医師の判断により処方されます。
特に、夜中に何度も目が覚める、眠りが浅い、睡眠を維持しにくいといった症状に対して使用されることがあります。
なお、痛み・うつ病・睡眠時無呼吸症候群・薬剤の影響など、他の原因によって起こる二次性不眠症については、有効性および安全性が確立されていません。
不眠の背景に別の病気がある場合は、原因に応じた診断・治療が必要です。
ベルソムラの効果時間と翌朝への眠気
ベルソムラは就寝直前に服用する睡眠薬です。服用後、体内で吸収され、覚醒を維持するオレキシンの働きを抑えることで眠りを促します。
日本人健康成人におけるデータでは、最高血中濃度に達するまでの時間は約1.5時間、半減期は約10時間とされています。
そのため、服用のタイミングや体質によっては、翌朝に眠気・だるさ・注意力低下が残る場合があります。
ベルソムラを服用した翌朝は、自動車の運転や危険を伴う機械操作を避けてください。
特に、睡眠時間を十分に確保できない場合や、夜中に起きて活動する可能性がある場合は服用しないよう注意が必要です。
ベルソムラは効かない?効果を感じにくい原因
ベルソムラを服用しても効果を感じにくい場合、以下のような原因が考えられます。
- 食事中または食直後に服用している
- 就寝直前ではなく、服用のタイミングが早すぎる・遅すぎる
- 不眠の原因がストレス・痛み・うつ症状・睡眠時無呼吸症候群などにある
- アルコールを摂取している
- 他の薬との相互作用により効果が変化している
- 生活リズムの乱れやカフェイン摂取の影響がある
ベルソムラは覚醒を維持するオレキシンの働きを抑える薬ですが、不眠の原因が別にある場合は十分な効果を感じにくいことがあります。効果が不十分な場合でも、自己判断で増量せず、医師に相談してください。
ベルソムラの使用方法
ベルソムラは、就寝直前に1錠を水またはぬるま湯で服用してください。
成人の通常用量は20mg、高齢者では15mgです。年齢、症状、体質、併用薬などにより医師が用量を調整する場合があります。
食事中または食直後の服用は避けてください。食後に服用すると、空腹時に比べて薬の吸収が遅れ、効果が出るまでに時間がかかる場合があります。
- 就寝直前に服用してください
- 服用後はすぐに就寝してください
- 十分な睡眠時間を確保できるときに服用してください
- 夜中に起きて作業する予定がある場合は服用しないでください
- 自己判断で増量しないでください
※効果・副作用・服用及び使用方法は、販売国の商品説明書や一般的な薬剤情報を翻訳しています。
※効果には個人差があります。
ベルソムラの副作用
ベルソムラの主な副作用として、以下のような症状が報告されています。
- 翌朝の眠気
- 頭痛
- めまい
- 倦怠感
- 悪夢
- 異常な夢
- 睡眠時麻痺
- 注意力や集中力の低下
服用翌朝に眠気や注意力低下が残ることがあるため、自動車の運転や機械操作など危険を伴う作業は避けてください。
万が一、強い眠気、異常行動、呼吸の異常、気分の落ち込み、幻覚、意識の異常などを感じた場合は、直ちに使用を中止し、医師の診察を受けてください。
ベルソムラの注意事項
ベルソムラを使用する際は、以下の点に注意してください。
- 本製品の成分に対してアレルギーのある方は使用しないでください
- 18歳未満の方は使用しないでください
- 妊娠中・妊娠の可能性がある方・授乳中の方は医師に相談してください
- 自動車の運転や機械操作など、危険を伴う作業の前は服用しないでください
- 睡眠途中で一時的に起床し活動する可能性があるときは服用しないでください
- 重度の肝機能障害をお持ちの方は使用しないでください
- ナルコレプシーまたはカタプレキシーのある方は使用しないでください
- アルコールと一緒に服用しないでください
- 他の睡眠薬や精神科系の薬を服用中の方は医師に相談してください
- 推奨摂取量を超えないようにしてください
- 子供の手の届かない場所に保管してください
- 直射日光・高温多湿を避けて保管してください
- 本品は医薬品です。用法・用量を守って使用してください
ベルソムラの併用禁忌薬
ベルソムラは、CYP3Aを強く阻害する薬と併用すると、血中濃度が上昇し、副作用が強く出るおそれがあります。以下の薬を使用中の方は、ベルソムラを服用しないでください。
- イトラコナゾール
- ポサコナゾール
- ボリコナゾール
- クラリスロマイシン
- ボノプラザン・アモキシシリン・クラリスロマイシン
- ラベプラゾール・アモキシシリン・クラリスロマイシン
- リトナビル
- ニルマトレルビル・リトナビル
- エンシトレルビル
- セリチニブ
上記以外にも、服用中の薬がある場合は必ず医師または薬剤師に相談してください。
ベルソムラの併用注意薬
以下の薬を服用中の方は、ベルソムラの効果や副作用に影響する可能性があるため、使用前に医師へ相談してください。
- CYP3Aを中等度に阻害する薬:ジルチアゼム、ベラパミル、フルコナゾールなど
- CYP3Aを誘導する薬:リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトインなど
- 他の睡眠薬
- 抗不安薬
- 抗うつ薬
- 抗精神病薬
- アルコール
CYP3Aを中等度に阻害する薬と併用する場合は、ベルソムラの血中濃度が上がる可能性があるため、用量調整が必要になることがあります。自己判断で併用せず、必ず医師に確認してください。
ベルソムラとデエビゴの違い
ベルソムラとデエビゴは、どちらもオレキシン受容体拮抗薬に分類される睡眠薬です。いずれも覚醒を維持するオレキシンの働きを抑えることで、自然な眠りを促します。
一方で、有効成分や受容体への作用、用量、体質との相性には違いがあります。
- ベルソムラの有効成分はスボレキサントです
- デエビゴの有効成分はレンボレキサントです
- ベルソムラは中途覚醒や睡眠維持に悩む方に使用されることがあります
- デエビゴは入眠困難と睡眠維持の両方に使用されることがあります
- ベルソムラは錠剤を半分に分割できません
- デエビゴは割線があり、分割可能な規格があります
どちらが適しているかは、不眠の症状、年齢、体質、併用薬、副作用の出方によって異なります。自己判断で切り替えず、医師に相談してください。
関連商品:デエビゴ(Dayvigo)もあわせてご覧ください。
ベルソムラ・デエビゴ・ロゼレム・マイスリーの違い
不眠症治療薬には、オレキシン受容体拮抗薬、メラトニン受容体作動薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬など、さまざまな種類があります。それぞれ作用機序や特徴が異なるため、不眠のタイプに合わせて選択されます。
| 薬名 | 分類 | 主な特徴 | 向いている症状の目安 |
|---|---|---|---|
| ベルソムラ | オレキシン受容体拮抗薬 | 覚醒を維持するオレキシンの働きを抑える | 中途覚醒・睡眠維持に悩む方 |
| デエビゴ | オレキシン受容体拮抗薬 | 入眠困難と睡眠維持の両方に使われる | 寝つきの悪さ・途中で目が覚める方 |
| ロゼレム | メラトニン受容体作動薬 | 睡眠リズムを整えるタイプ | 生活リズムの乱れ・自然な眠りを重視する方 |
| マイスリー | 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬 | 比較的速やかな入眠作用が期待される | 寝つきの悪さが中心の方 |
上記は一般的な特徴の比較です。実際にどの薬が合うかは、症状や体質、既往歴、服用中の薬によって異なります。
要医師相談
以下に該当する方は、ベルソムラを使用する前に必ず医師へ相談してください。
- 中等度または重度の肝機能障害をお持ちの方
- ナルコレプシーまたはカタプレキシーの方
- 呼吸機能障害をお持ちの方
- うつ病や精神疾患をお持ちの方
- 睡眠時無呼吸症候群の可能性がある方
- 他の睡眠薬・抗不安薬・抗うつ薬・抗精神病薬を服用中の方
- 高齢者
- 妊娠中・妊娠の可能性がある方
- 授乳中の方
ベルソムラの有用成分
ベルソムラの有効成分は、スボレキサント(Suvorexant)です。
- スボレキサント:20mg
- スボレキサント:15mg
スボレキサントは、オレキシン受容体への結合を阻害することで、覚醒状態を維持する働きを抑え、睡眠への移行をサポートします。
ベルソムラに関するよくある質問
ベルソムラはどのような睡眠薬ですか?
ベルソムラは、有効成分スボレキサントを配合した不眠症治療薬です。
脳内で覚醒を維持する物質「オレキシン」の働きを抑えることで、自然な眠りをサポートするオレキシン受容体拮抗薬に分類されます。
ベルソムラは寝つきが悪い場合にも使えますか?
ベルソムラは不眠症に対して使用される薬で、寝つきが悪い入眠困難や、夜中に目が覚める中途覚醒などに対して処方されることがあります。
ただし、不眠の原因や体質によって適した薬は異なるため、使用前に医師へ相談してください。
ベルソムラの効果時間はどのくらいですか?
ベルソムラは就寝直前に服用する睡眠薬です。
日本人健康成人のデータでは、最高血中濃度に達するまでの時間は約1.5時間、半減期は約10時間とされています。そのため、体質や服用時間によっては翌朝に眠気が残る場合があります。
ベルソムラを飲んだ翌朝に眠気が残ることはありますか?
はい、ベルソムラの服用後に翌朝の眠気、だるさ、注意力低下、めまいなどが残ることがあります。
服用翌朝は、自動車の運転や機械操作など危険を伴う作業を避けてください。眠気が強い場合は、自己判断で服用を続けず医師に相談しましょう。
ベルソムラとデエビゴの違いは何ですか?
ベルソムラとデエビゴは、どちらもオレキシン受容体拮抗薬に分類される睡眠薬です。
ベルソムラの有効成分はスボレキサント、デエビゴの有効成分はレンボレキサントです。どちらが合うかは、不眠のタイプ、体質、年齢、併用薬などによって異なります。
ベルソムラは依存性がありますか?
ベルソムラは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは異なる作用機序を持つ薬です。
依存や耐性が気になる方にも処方選択肢のひとつとされていますが、自己判断で増量・中止・長期使用することは避けてください。必ず医師の指導に従って使用しましょう。
ベルソムラは食後に飲んでも大丈夫ですか?
ベルソムラは、食事中または食直後の服用は避ける必要があります。
食後に服用すると、空腹時に比べて薬の吸収が遅れ、効果が出るまでに時間がかかる場合があります。基本的には就寝直前に水またはぬるま湯で服用してください。
ベルソムラとアルコールは一緒に飲めますか?
ベルソムラとアルコールの併用は避けてください。
アルコールと一緒に服用すると、眠気、ふらつき、注意力低下などの副作用が強く出るおそれがあります。
ベルソムラを服用できない人はいますか?
ベルソムラの成分にアレルギーがある方、重度の肝機能障害がある方、ナルコレプシーまたはカタプレキシーのある方などは使用できない場合があります。
また、妊娠中・授乳中の方、呼吸機能障害がある方、他の睡眠薬や精神科系の薬を服用中の方は、使用前に必ず医師へ相談してください。
ベルソムラには併用してはいけない薬がありますか?
はい、ベルソムラには併用禁忌薬があります。
イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル、ニルマトレルビル・リトナビル、エンシトレルビルなど、CYP3Aを強く阻害する薬とは併用できません。
服用中の薬がある方は、ベルソムラを使用する前に必ず医師または薬剤師へ確認してください。
ベルソムラは市販で購入できますか?
ベルソムラは市販薬ではなく、医師の管理下で使用される処方箋医薬品です。
使用する際は、用法・用量や併用薬の確認が必要になるため、自己判断での使用は避け、医師や薬剤師に相談してください。
ベルソムラのポイント
ベルソムラは、有効成分スボレキサントを配合したオレキシン受容体拮抗薬です。覚醒を維持するオレキシンの働きを抑えることで、自然な入眠と睡眠維持をサポートします。
従来の睡眠薬とは異なる作用機序を持つ一方で、翌朝の眠気、めまい、注意力低下、悪夢、睡眠時麻痺などの副作用が起こることがあります。また、CYP3Aを強く阻害する薬とは併用できないため、服用中の薬がある方は必ず医師または薬剤師に相談してください。
ベルソムラは不眠症治療の選択肢のひとつですが、自己判断で使用する薬ではありません。用法・用量を守り、医師の指導のもとで適切に使用しましょう。
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